食事と図書 雨風食堂

2026-02-17

2/12(木)
「資本主義を半分捨てる」刊行記念
青木真兵さん、光嶋裕介さんトークイベント
ありがとうございました!

青木真兵さんと光嶋裕介さんをお招きして開催した「資本主義を半分捨てる」刊行記念トークイベント、おかげさまで無事に終了しました。

平日なのでこじんまりとアットホームな感じになるかなと予想していたのですが、「椅子だけはたくさんある」と豪語していたのが最終的に足りなくなり、ピアノ椅子や小さなスツールまで全て使い果たすほど、過去最高に多くの方にお集まりいただきまして(あっ、また数字を見てしまいました)やっぱり関心の高いテーマなのだなと実感しました。

中高生向けのシリーズであるちくまプリマー新書から刊行された青木さんの最新刊は、様々なテーマについて語られている本ですが、個人的には特に「自己ニーズ」と「他者ニーズ」、そして「内面化」というキーワードに注目して読みました。

「資本主義」とタイトルに入ってはいますが、お金の話をしている本ではまったくないですし、半農半Xや投資など、資本主義社会から半歩抜け出して生きるための具体的な方法を指南する本ではありません。それらは例えば絵を描くときに最終的に使う道具の話で、その前に必要なのは、自分は“本当は”どんな絵を描きたいのかを、自分でわかるということです。

よりよく生きるための道具であったはずのものに、道具として使われるどころか部品として消費されているという倒錯。このことに気がつかないまま、むしろ自ら進んではまり込んでいってしまうことは、資本主義という大きな相手に限らず、どこにでも転がっている避けがたい罠だと感じています。スマホ然り、仕事然り、政治もまた然りです。(その奥にあるのはやっぱり資本主義だったりするんですが)

いつの間にか自分を完全に明け渡してしまわないために、どこまでなら、どうやったら守れるのか。その方法も、自分との対話を通して自分の中から見つけていくしかないのだと思います。

「半分捨てる」の「半分」も一人一人違って、リバーシブルのような「半分」もあれば、面積としての「半分」もあるでしょうし、ひとつの中の割合としての「半分」もありますね。大事なのは等分にすることではなく、もう片方を捨てないこと、両方を同時に持つということです。「資本主義を半分捨てる」=「資本主義でないものを半分捨てない」であり、資本主義を「他者ニーズ」に置き換えると、「自己ニーズ」を半分残すということ。

トークの終盤でも光嶋さんが言われたことですが、「自分の声って本当に小さい」んですよね。てっきり自分の声だと思っていたのに、誰かの拡声器になってしまっているなんていうことも。

まずは他人の息のかかっていない本当の「自己ニーズ」が聞こえるように、耳を澄ませて、整えていくところから。簡単なことではないですが、植物を育てるくらいの時間感覚で毎日自分を観察しながら、それぞれにちょうどいい半分を見つけていきましょう🌱

写真は最後まで残られた皆さんと。
想像を超えて多くのご予約をいただいて、土着仲間のterzo tempo佐野くんが急遽ドリンクをすべて担当してくれました。(多謝!!)撮影は白岩英樹先生、いつもありがとうございます!

『ぼくらの「アメリカ論」』のお三方。

使う・使われるではなく
持ちつ・持たれつの精神でいきたいですね。
この日も関わってくださったすべての皆さんに、
ありがとうございました◎

2026-01-21

2/12(木)
「資本主義を半分捨てる」刊行記念
青木真兵さん、光嶋裕介さんトークイベント

2026年、本屋「文室」最初のトークイベントは、思想家の青木真兵さんと、建築家の光嶋裕介さんをお迎えします。今回は、青木さんの新刊「資本主義を半分捨てる」(ちくまプリマー新書)の刊行記念として、本を囲みながらお話ししていきます。

2/7(土)18:00までのご予約をもちまして、事前お渡し・当日お渡しともに書籍のご予約は終了させていただきました。後日のお渡しでよろしければ引き続き承れます。
イベントのお申込とあわせて書籍のご注文も承ります。発売直後のイベントではありますが、一部事前のお渡しも可能にしていただきました(冊数に限りがありますので、お早めにご予約ください)。

資本主義を半分捨てる

著者:青木真兵
出版 :筑摩書房
価格 :990 円(税込)

「声が発されることは弱さではなく、生きる術なのだ。」

生きづらさに満ちた社会で、資本主義の価値観に縛られず多様なありかたを模索する。都市と山村を行き来して考えた、自分が心地よく生きるための方法とは。

現代に生きる私たちは、生まれた瞬間から資本主義のシステムに包まれて
数や評価から逃れられない世界に生きています。
数は、比較を可能にし、比較は、選別を可能にします。
本来は数値化できないはずのものまで数値化され、
比べられないはずのものを比較可能にし、
決して取り替えのきかないものを、交換可能なもののように錯覚させてしまう。
果たして、たったひとりの自分を置き去りにして
数えられるものの数字が増えるということは、本当に豊かなことでしょうか。

そうはいっても、すべてを手放すことはできません。
数字を増やし回し続ける都会の生活を降りた私たちも然り、
お客さんから直接受け取ったお金だけで家族3人暮らしてみようと思ったら
それはそれは大変で、結局毎日数字と睨めっこです。
続けていくために毎月たくさんのお金を動かし、
「欲しい」と思ってもらえなければ消えてしまう、
それは、自営業で小さな店を営む私たちにとって
比喩でなく、ただの現実です。

それでも、人がよりよく生きるための道具だったはずのシステムに
道具として使われ消費されないために、私たちは何を選ぶことができるのか。
きっと正解というものはなく、それぞれの実践があるだけなのだと思います。

今回は、切っても切れない資本主義との付き合い方について、
お二人とたっぷりお話ししてみたいと思います。

***

資本主義に使われず、格闘しながら社会を手づくりしている同志として、
伊東ご夫妻のことは勝手に尊敬しています。
だから何度もお邪魔しちゃうんだな〜と!
今回もよろしくお願いいたします。

--青木真兵さんより

わたしたちの日常にべっとりな資本主義は、手強い。
あまりにも強靭で、社会的な動物である人間がたどり着いた
ひとつの叡智でもある資本主義からもう逃れることは、きっとできない。
であれば、半分捨ててみようとは、なるほどと思いつつ、どうやって?
そんなことを3人で語らいたい!!

--光嶋裕介さんより

///  ゲスト  ///

青木真兵(あおき・しんぺい) 思想家

1983年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)に育つ。博士(文学)。社会福祉士。2016年より奈良県東吉野村に移住し自宅を「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」として開きながら、対話によって「はじまり」を問い直し組織の存在理由を改めて掘り起こす「考古学ラヂオ」や執筆などの活動を行っている。著書に『武器としての土着思考』(東洋経済新報社)、『手づくりのアジール』(晶文社)、妻・青木海青子との共著『彼岸の図書館』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)、光嶋裕介との共著『つくる人になるために 若き建築家と思想家の往復書簡』(灯光舎)などがある。人文系私設図書館ルチャ・リブロhttps://lucha-libro.net/

光嶋裕介(こうしま・ゆうすけ) 建築家

1979年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。建築家。一級建築士。博士(建築学)。高知工科大学 特任教授。早稲田大学理工学部建築学科修了。ドイツの建築設計事務所で働いたのち2008年に帰国、独立。建築作品に内田樹氏の自宅兼道場《凱風館》、《旅人庵》、《森の生活》、《桃沢野外活動センター》など。著書に『ここちよさの建築』(NHK出版 学びのきほん)、『これからの建築―スケッチしながら考えた』『つくるをひらく』(ミシマ社)、『建築という対話 僕はこうして家をつくる』(ちくまプリマー新書)、『増補 みんなの家。―建築家一年生の初仕事と今になって思うこと』(ちくま文庫)などがある。

///  日時・ご予約  ///

開催日 2026年2月12日(木)
時間 OPEN 18:00
START 19:00
CLOSE 21:00
場所 文室 @_bunshitsu
(高知市南はりまや町1丁目10-9 1F)
参加費 2,000円
※ドリンク代別途
ご予約申込 以下フォームよりお申し込みください

2026-01-10

2/14(土)・15(日)
「エンジェル・アット・マイ・テーブル」in文室

2月のゴトゴトシネマさん企画上映会は
ニュージーランドの作家ジャネット・フレイム
の自伝を基に「ピアノレッスン」の
ジェーン・カンピオン監督が撮った名作
「エンジェル・アット・マイ・テーブル」です。
会場は文室のみ、2日間限定のの上映になります。
上映会詳細・ご予約については
ゴトゴトシネマさんのサイトからご確認ください。
▶︎ 2026年2月14日(土)、15日(日)「エンジェル・アット・マイ・テーブル」in文室

「エンジェル・アット・マイ・テーブル」

1924年にニュージーランドで生まれた
ジャネット・フレイムは、
感受性豊かな少女に成長し、
やがて詩人を夢見るようになる。

18歳になったジャネットは師範学校に
入学するが、極度の緊張から
教室を逃げ出し自殺未遂をしてしまう。

その後、統合失調症と診断され
精神科病棟へ送られ、
8年間で200回以上の電気ショック療法を
受けることに。

当時、最先端の治療法とされた
悪名高きロボトミー手術の施術が迫る中、
自らが書いた本が文学賞を受賞。
はれて退院を果たし、
作家への道が開かれていく…。

ニュージーランドが生んだ稀代の作家の
半生を振り返る壮大な物語。
彼女の人生を追体験するように、
ゆったりとお楽しみいただける名作です。

≡ 本屋「文室」について ≡

文室ははりまや橋交差点から南へ
「いそっぷ館」さんの角を東に折れてすぐの角、
お隣は「pourquoi」(プクワ)さんです

北の角には「tuche」(テュケ)さんがあります

文室上映会のスクリーンは壁です

幕間には本もお求めいただけます

当日はお飲み物のほかに
デザートなどもいくらかご用意できる予定です。
お持ち帰りもできます◎

2026-01-10

1/25(日)
「104歳、哲代さんのひとり暮らし」in 文室

今年で10周年を迎えられる
ゴトゴトシネマさん企画の
本屋「文室」での上映会、
新年1本目は
「104歳、哲代さんのひとり暮らし」です。

上映会詳細・ご予約については
ゴトゴトシネマさんのサイトからご確認ください。
▶︎ 2026年1月25日(日)「104歳、哲代さんのひとり暮らし」in文室

「104歳、哲代さんのひとり暮らし」

広島県尾道市。自然豊かな山あいの町で100歳を超えてひとり暮らしを続けている石井哲代さん。小学校の教員として働き、退職後は民生委員として地域のために尽くしてきました。子どもはおらず、83歳で夫を見送ってからは、姪や近所の人たちと助けあい、笑いあいながら過ごしています。

いりこの味噌汁を作り、家の周りの草をとり、お茶を囲んで語り合う。時には体調を崩して病院にお世話になることもありますが、年齢を重ねてできないことが増えても、哲代さんは自分を上手に励まし、自由な心で暮らしをしなやかに変えていきます。

なんでも美味しく、誰とでも楽しく、いつだってご機嫌に。
そんな哲代さんの101歳から104歳までの日々をみつめたドキュメンタリーです。

≡ 本屋「文室」について ≡

文室ははりまや橋交差点から南へ
「いそっぷ館」さんの角を東に折れてすぐの角、
お隣は「pourquoi」(プクワ)さんです

北の角には「tuche」(テュケ)さんがあります

文室上映会のスクリーンは壁です

幕間には本もお求めいただけます

当日はお飲み物のほかに
デザートなどもいくらかご用意できる予定です。
お持ち帰りもできます◎

2025-12-27

「みんなのごはん」刊行記念
チャン・アラさん、内藤かほりさんお話会
ありがとうございました!

12月20日(土)、本屋「文室」にて、韓国で独立書店と出版スタジオを営むチャン・アラさんと著者の内藤かほりさんをお迎えし、「みんなのごはん」刊行記念トークイベントを開催しました。アラさんの出版スタジオの門出となった本作。その最初の海外イベントを、高知の小さな個人書店である文室で開催させていただくことになったことは、今でも本当に不思議で、ありがたいご縁だったと感じています。

1部では、舞台裏の写真や動画をたくさん見せてくださり、本作りの裏側を覗かせていただきました。料理に関心の高い方が多く、質問もたくさん出て、終始あたたかい雰囲気で進行する中、料理をきっかけに思わぬところからふたつの国の文化や言葉の違いが浮かび上がるのも印象的でした。「きつね色」という表現の話から、お稲荷さんの名前の由来の話になり、「たぬきは何色ですか?」というアラさんの質問にみんなで笑ってしまったり。

2部では「みんなのごはん」に掲載されているかほりさんのレシピから「のっぺい汁うどん」をご用意させていただき、優しい味のおうどんでお腹を満たしてから、本の話から少し離れてお二人の生き方、考え方について話を広げていきました。

お二人の出会いから、国や言葉の違いを越えて友人になられた経緯、韓国の出版事情や、SNSとの付き合い方まで。参加者の方も思ったことをいつでも自由に質問できる自由なスタイルでしたが、どの話題からもお二人それぞれの個性やスタンスが自然に滲み出ていたように思います。

会が終了し、夜が更けても多くの方がそのまま残って話は尽きず……

翌日、メモ帳を見るとその形跡が。

いったいどんなお話をされていたのでしょうか。

* * *

アラさんのお名前は韓国の古い言葉で「海」の意味を持つそうです。お名前の通りその眼差しは、あらゆる境界や隔たりを軽やかに越えているように見えました。言葉が分からなければ習得し、本の作り方が分からなければ印刷所に尋ね、会いたい人には会いに行って。遥か遠くを見ているようでいながら、人が見過ごしてしまうような良さに気づき、その良さを伝えるために、丁寧に、果敢に、一冊の本という形にしていく。そして、自ら書店という場を作り、直接手渡していく。ご一緒したのは2日間の短い間でしたが、後ろからかほりさんを見守る眼差しやご家族への愛情を言葉の端々から感じ、その原動力は野心というよりも、愛情に近いものなのかもしれないと思いました。


通りすがりのワンちゃんが一直線にアラさんのもとへ

また、出版スタジオとして船出をされるにあたり「一冊目の本は信じられる友人と作りたかった」というアラさんの言葉も心に残っています。実際にかほりさんとお会いして、自然体で周りの人を和ませてくれる柔らかい空気の奥に、しっかりと芯を持った方なのだと感じました。「みんなのごはん」はこんなお二人によって丁寧につくられたやさしいレシピ本ですが、当日のお二人の様子を見て、参加者の皆さんもこの本がどのようにして生まれたのか、言葉以前に感じ取れる部分が多くあったのではないでしょうか。

イベントから一週間が経ち、参加者の方々から次々とご感想をいただいていますが、今までで一番アットホームだったというお声と、「とても刺激を受けた」というお声が多く届いています。私自身、なぜ本屋という場所を作ったのか、なぜイベントを開催するのかということを、今一度考えてみる良い機会になりました。

本という静かで動かないものを取り扱ってはいますが、ずっと「本は人です」と口癖のようにお伝えしてきました。結局、本を介して、人を紹介したいのだろうと思うのです。自分の生活圏のすぐ隣に、こんな人がいるのだと。

本を紹介した時点ではそのたった一歩目、それでも大きな一歩ではありますが、実際に書いた人、作った人に会ってみることが千倍くらいの意味を持つことがあります。
その瞬間が実現するためには、場をひらく人がいて、ゲストとしてお越しくださる方と、会いに来てくださる方々、その皆さんがそれぞれに何もわからない段階で、先に主催者を、ゲストを、お客さんを、人を「信じてみる」必要があります。

まず、信じてみる、会いに行ってみる。その先にしか生まれない、あたたかな連鎖。
かほりさんのレシピの優しい味のおうどんを啜りながら、その実践を、お二人と皆さんに見せていただいたような夜でした。この小さな一夜の交流からそれぞれの人生の角度がほんの少し変わったであろうことを思い、そのズレがどんな変化になっていくのか、これからまた楽しみです。

* * *

今回、イベントの記念品として、ホリナルミさんのイラストがかわいいポストカードセットとハンドタオルをご用意くださいました。
初回特典のカレンダーも、大手ショッピングサイトからの購入では入手できない小さな書店のみの特典なのだそうです。(愛!)

2025-12-10

12/28(日)「名付けようのない踊り」in 文室

ゴトゴトシネマさん企画
本屋「文室」での上映会第3弾は
田中泯さんのドキュメンタリー
「名付けようのない踊り」です。

上映会詳細・ご予約については
ゴトゴトシネマさんのサイトからご確認ください。
▶︎ 2025年12月28日(日)「名付けようのない踊り」in文室

「名付けようのない踊り」

なぜ今、彼に惹かれるのか。
田中泯が、76年の生涯をかけ探し続ける踊りとは…
見るものの五感を研ぎ澄ます、120分の旅にでる

≡ 本屋「文室」について ≡

文室ははりまや橋交差点から南へ
「いそっぷ館」さんの角を東に折れてすぐの角、
お隣は「pourquoi」(プクワ)さんです

北の角には「tuche」(テュケ)さんがあります

文室上映会のスクリーンは壁です

幕間には本もお求めいただけます

当日はお飲み物のほかに
デザートなどもいくらかご用意できる予定です。
お持ち帰りもできます◎