食事と図書 雨風食堂

2025-06-09

6/14(土)小さな朝の読書会@文室

小さな朝の読書会のお知らせです。

土曜日の文室の営業前に
ただ集まって静かに本を読む会を開催します。

初回は考え得る限り一番ハードルを低く。
課題本はありません。
各自読みたい本を持って来ていただきます。

積読本を崩すもよし
冒険したい方は当日お越しいただいてから
ひらめきで1冊ご購入いただくのもお勧めです。

——- 流れ ——-

🕥10時半〜

お入りいただいたら読書のお供のお飲み物を
ご注文いただきます。
(ご希望の方はデザートも🍰)

ご用意している間
どんな本を持って来られたのかなど
軽くお喋りしていただいて

🕚11時〜

30分間黙ってひたすら読みます。
梅雨時期ではありますが
もし晴れていれば外のベンチでも
川の方で読んできていただいても。

🕦11時半〜12時

読んでみた感想など
軽くお喋りして終了になりますが
文室は12時半まで開放していますので
お喋りしたり続きを読んだり
少しゆっくりしていただけます。
本のご購入もできます。

🕧12時半

通常営業の準備のため一旦クローズします。

———————

忙しい毎日の中で
なかなか本に向き合う時間が取れないという方

30分だけでも本に集中するのは
とってもリフレッシュになります。

ずっとひとりで読んでいる方

いつもの場所と違う場所で読むことも
まわりの人がみんな読んでいる環境で読むことも
記憶に残る読書体験になると思います。

ご希望の方はスマホもお荷物もお預かりします。
ご予約は以下のフォームから、もしくは店頭でも
ご参加お待ちしています。

———————

日時 6月14日(土) 10:30〜12:00
参加費 500円
※1,000円以上の書籍ご購入の場合無料
※別途1ドリンクオーダーをお願いします☕️
場所 文室 @bunshitsu
(高知市南はりまや町1丁目10-9 1F)
ご予約申込

✳︎雨風食堂・文室の店頭でも承ります

2025-06-02

雨風食堂12周年・本屋「文室」オープン記念
7/5(土) 蔡忠浩 「獰猛な愛の横顔」リリースツアー高知公演

2月から延期になっていました蔡忠浩さんの「獰猛な愛の横顔」リリースツアー高知公演ですが、この度なんと場所をオープンしたばかりの本屋「文室」に移して開催していただけることになりました。雨風食堂12周年の月に「文室」オープン記念の初ライブです。ぜひお越しください!

bonobos解散後、初の音源「獰猛な愛の横顔」リリース決定!
カバーシリーズ3部作の完結編となる、渾身の3rdカバーアルバム!!!
セルフカバー「優しい重力」、GT400、東京は夜の七時、
悲しくてやりきれない、ミルクティーなどの名曲カバーを
全10曲収録予定。ライブ会場限定販売!

蔡忠浩 プロフィール

2003年、bonobosのVo.&Gt./ソングライターとしてメジャーデビュー。
Dub/ネオソウル/チェンバーロックなど、常に進化を続けたバンドは、
その高度な演奏力や飽くなき創造性、唯一無二な音楽は高く評価されてきた。
バンドの傍らソロでの活動も行っており、
オリジナルアルバムを1枚、カバーアルバムを2枚リリース。
ここ数年はバンドやソロ活動の枠を越え、CMナレーション、
舞台の音楽監督や映像への音楽提供なども行い、活動は多岐にわたる。
http://saichung-ho.com

開催日 2025年7月5日(土)
時間 開場 16:00
開演 17:00
場所 文室 @bunshitsu
(高知市南はりまや町1丁目10-9 1F)
料金 前売 4,500円 / 当日 5,000円 / 中学生以下 2,000円
※3歳以下無料​
(ドリンク代別途)
出店 Su-jigwa(珈琲とお菓子など)
雨風食堂(その他ドリンク)
ご予約申込

✳︎雨風食堂・文室の店頭でも承ります

※開場時間前の会場へのご入場はご遠慮ください​。
​※駐車場はありません。近くのコインパーキングにお願いします。
※ドリンクや軽食の出店を予定しております。1オーダーのご協力お願いします。
※代金は当日受付でお支払いください。

企画・制作:Cow and Mouse
◆特設ページ https://www.cowandmouse.info/sai-chungho

2025-05-29

5/31(土)文室ブックナイト開催します


ギリギリのお知らせとなりましたが
ご都合の合う方はぜひ!
詳しくはこちらをご覧ください。

2025-05-29

本屋「文室」オープンしました

まだまだ、ふたつのお店を行き来しながら
パタパタと落ち着かない日々です。
こちらでのお知らせもすっかり遅くなりました。

営業日、営業時間なども不確定ですので
文室についてのお知らせは
instagramをご確認ください。

@bunshitsu

2024-11-27

齋藤美衣さんのお話し会を振り返って

早くも三週間も前のことになりますが、去る11月3日に「庭に埋めたものは掘り起こさなければならない」(医学書院)刊行記念として、著者の齋藤美衣さんをお招きしてトークイベントを開催しました。

記念すべき一冊めのご著書の最初のトークイベントで遥々高知までお越しいただいた美衣さんにも、県内外からご参加いただいた皆さまにも、改めて感謝の気持ちをお伝えしたいです。お知らせの期間が短かったにも関わらずお席は満席となり、イベント当日を迎える前に予定冊数も完売しました。そして、イベント開催の直前に完成した第一歌集「世界を信じる」も、急遽直接スーツケースで(!)お持ちいただけることになったのですが、こちらもイベント終了後には無事にすべて旅立って行きました。
どちらもお求めいただいた方におまけにと、美衣さんがなんと夜なべをして手作りされたZINE「おいしいものでもどうぞ」を持ってきてくださり、さらには店名にちなんで「雨風」を入れた短歌を手書きで一枚一枚したためられた栞まで、人数分作ってくださいました。


(手縫いで製本まで…)

こういったことのひとつひとつから、そして丁寧に書かれた美しい一文字一文字からも、美衣さんの真摯なお人柄が伝わってくるようでした。

本の内容についても、トークについてもその通りで、美衣さんがまっすぐに言葉を選び出される様子を、参加者の皆さんが固唾を呑んで見守られていたように感じました。
そして、それと同時に不思議と感じていたのは会場のあたたかい空気です。

美衣さんが経験されてきたこと、本に書かれている内容は、事柄を見れば壮絶で痛みを伴うものです。読んでいるだけでも痛みを感じるのですから、小さな体で、たった一人ですべてを受け止め続けた美衣さんの痛みはどれほどだったかと思います。世界にひとりぼっちだった、その気持ちも切々と伝わってきます。
それでも、本を読みながらすぐに私が感じ始めたのは「信頼」でした。
まず私はこの人を信頼していい、という安心感と共に読むことができたこと。
それは、本の方から伝わってきたのが、恨みや憎しみではなく、むしろ信頼のような気持ちだったからではないかと思うのです。読者への、世界への信頼、あるいは愛のようなもの。
淡々と整然と、あまりにつらい出来事が書かれていても、美衣さんが世界をもう一度信じ直そうとしていることが伝わってくるからか、不思議なぬくもりも同時に感じている、不思議な読書体験でした。そんなことを思っていて、ほぼ同時期に刊行となった初の歌集のタイトルが「世界を信じる」だと知った時の感動たるや。

ずっとそばにいる小鳥のように、美衣さんの友達でいてくれた短歌というもの。そして、封印していた大切なものを一緒に掘り起こしてくれた散文というもの。その両方を形づくる「言葉」との信頼関係のようなものが、どちらの本からも、お話をしている最中にも、ずっと伝わってきました。

お話会の後のサイン会も、その後のお茶の時間も終始和やかで、参加者の皆さんの笑顔が印象的でした。

本を読んでいる時から、この会のテーマ「傷を持ちながら、生きることを続ける」について、そして「回復」ということについてずっと考えていたのですが、「回復」というその字の意味とは裏腹に、心についた傷は、決して元通りになど、なかったことになどならないのだと思います。その意味では回復ということはあり得ない。けれど、個人的に気に入っているのは「ふく」という読みが含まれている点です。「膨らむ」や「祝福」の「ふく」を思い出し、ふと「回復」とはそういうことなのではないか、と思ったりしました。元通りになる「回復」などしなくても、むしろ傷は傷のままであっていいし、傷があるのにないことにしなくていいし、けれど傷はそのままに、ぺしゃんこになった心がもう一度ちょっと膨らんでみることはできる。誰かがそうして膨らむ様子を見る時、あるいは祝福される様子を見る時、人は一番癒されるのではないか。参加者の方からの質問に答える形で、しばらく「死にたい」がきていないと、そんなことは初めてで、それはとってもいいものですね、と美衣さんが微笑んだ時の参加者の皆さんのお顔を見て、そんなことに気づいたのでした。

デザートタイムにはほとんどの方が残られました。デザートをご用意している間、テーブルのセッティングは完全にお任せしていましたが、皆さんご協力いただきましてありがとうございました。こんなに大人数で輪になってお茶をしたのは初めての体験でした。

お守りのような美衣さんの字。
記念すべき最初のサイン会でした。

+++

今回のイベント中の撮影協力は@kettle_photoさんでした。
ありがとうございました!

2024-10-17

『庭に埋めたものは掘り起こさなければならない』刊行記念
傷を持ちながら、生きることを続ける

2024年10月、『庭に埋めたものは掘り起こさなければならない』が刊行されました。
この本の著者齋藤美衣さんは、自閉スペクトラム症の傾向に加えて、急性骨髄性白血病、摂食障害などの経験を重ねてきた方なのですが、自殺未遂からの精神科病院への措置入院を機に、「もう書く以外に生きる道はない」と決意し、本書の執筆を開始されました。

多くの人が傷を抱えながら生きる現代、それでも生きることを続けるとはどういうことでしょうか。回復とはどのようなことなのでしょうか。
本イベントでは、みなさまとの対話を大切に生きることについて考えて行きます。

庭に埋めたものは掘り起こさなければならない

齋藤美衣

2,200円 (本体2,000円+税)
出版社:医学書院
A5/216頁
978-4-260-05766-0

壮大な勇気をもって「自分の傷」を見ようとした人の探求の書。

自閉スペクトラム症により世界に馴染めない感覚をもつ著者。急性骨髄性白血病に罹患するも、病名が告知されなかったことで世界から締め出された感覚に。周囲の期待に応えて残る人生を終える予定だったが、白血病は寛解し、「生き残ってしまった」なかで始まる摂食障害と、繰り返し見る庭の夢。しかし、「もうそのやり方では通用しないよ」と告げに来るものが……。壮大な勇気をもって自分の「傷」を見ようとした人の探求の書。トラウマと回復についての示唆を与えてくれる。

【この本を読もうとしてくださっているあなたへ】

2022年の春のこと。わたしは主治医の勧めでカウンセリングに通い出した。初回、カウンセラーから「なぜカウンセリングに通おうと思ったのですか」と聞かれた。そのときわたしは「合法的な安楽死がないから、仕方なく」と答えた。ひどい答えだと自分でも思った。でもこれが偽りない実感だった。
わたしは毎日やってくる「死にたい」に対峙する気力ももうほとんどなくて、つらくなく痛くなく早く死んでしまいたかったのだ。そのときわたしがいちばん欲しかったのが、合法的な安楽死だった。今思えば、わたしはぎりぎりでもうどうしたらいいのかわからなかった。

この本は、なぜわたしに「死にたい」が毎日やってくるのか、その理由を探すために、目的地も見えぬなか歩み出した旅の記録だ。わたしには書くという作業が必要だった。必要というより必然だった。書くことを通してでしか、〈自分〉という未踏の地に足を踏み入れる勇気を保つことはできなかった。
そしてわたしはこの本を、半分はわたし自身のために書いたけれど、もう半分は今この文章を読んでくれているあなたのために書いている。これはわたしの物語だが、同時にあなたの物語でもある。

この本を書くことを通じて、わたしは何度も世界と新しく出会いなおした。今もそれは続いている。「世界と出会い直す」ということは、「わたしと出会い直す」ということだ。この本を書きながら、わたしはわたしを何度も見つけ、確かめ、抱きしめた。この作業はわたしのものではあったが、同時にこの本を読んでいるあなたのものでもあると思っている。

どうか、世界と、自分と出会い直すこの旅に、あなたも伴走してもらいたい。今、そう願っている。あなたがいればとても心強いから。もしあなたがかつてのわたしのように、苦しさの中でどうしたらよいかわからなくて途方に暮れていたとしたら、ぜひわたしと共に旅に出てほしいのだ。その過程で、もしあなたがなんらか「世界と出会い直す」ことができたならば、この記録を残してきた者として、これほどうれしいことはない。

— 追記 —

トークイベント当日、11月発売の齋藤美衣さんの初めての歌集「世界を信じる」も直接お持ちいだけることになりました。ご希望の方はご購入いただけます。

「はじめて短歌を作ったのは十四歳でした。白血病の治療で入院中のことです。成人まで生きられないと思っていたわたしにとって、その時から短歌は唯一の友達のようなものでした。以来ずっと歌に頼ってきたように思います。
はじめて歌を作ってから、今年で三十四年になりました。十四歳から現在に至るまで長い晩年を生きていたような感覚がありましたが、そんな中でもわたしは確かに生きて歌を作ったのだと実感したとき、作品をまとめたい、歌集を刊行しようと思いました。
三十代はじめの二〇〇七年から二〇二四年までのおよそ十七年間の作品をおさめました。
この本をお手に取ってくださるならば、こんなにうれしいことはありません。」

–齋藤美衣さんより

斎藤美衣歌集『世界を信じる』

2,970円(税込)
典々堂

まっすぐな心がまっすぐに世界を見つめる。生きるとは、手足を動かすこと。歩いて、食べて、誰かを思うこと。世界に触れて、世界の一部になること。齋藤美衣の歌は、心と体と言葉と歌が一体になる喜びを伝えてくれる。
(大松達知・本書「帯文」より)

【5首選】

名刺二枚かさねて仕舞ふ ゆふがたのかばんの底でもう落葉だらう

冬をする けふは一人で冬をする 金木犀はだまつてなさい

母さんと呼ばれてはい、と返事して。返事して、返事して、もう夕映え

右足のいつもほどける靴紐を結びなほして世界を信ず

きみの書く「衣」の字はいつもやはらかい わたしはすこしやはらかくなる

///  ゲスト  ///

齋藤美衣(さいとうみえ)

作家・歌人
1976年、広島県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。
4歳ごろから他者に「言葉が通じない」感覚を持ち、外部とつながることを難しく感じる。聴覚、視覚、感覚過敏のため、日常生活で日々困難を感じる。14歳のとき急性骨髄性白血病で1年間の入院生活を送る。19 歳から摂食障害を発症し、以降断続的に精神科にかかる。30代前半から半ばにかけて精神科への入退院を繰り返す。現在、自己認知している診断名は、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、適応障害、複雑性PTSD。
14歳の白血病の入院中に『サラダ記念日』を読んだのをきっかけに短歌を作り始める。2022年、短歌作品「蚱蝉」30首でO先生賞を授賞。2024年10月第一歌集『世界を信じる』を出版。

///  日時・ご予約  ///

開催日 2024年11月3日(日)
時間 OPEN 15:00
START 15:30
CLOSE 17:00
※終了後にご希望の方のみデザートタイム
(ドリンク・デザート代別途)
場所 食事と図書 雨風食堂
参加費 1,500円
ご予約申込

満席になりました